脱ゴーマニズム宣言裁判を楽しむ会議室
1998/04/11(12:18) from 130.158.104.180
作成者 :あれく (QYZ04726@niftyserve.or.jp)
Re: 具体例をお願いします
こんにちわ、佐々木さん。あれくです。
なんとなくおっしゃりたい事が分かってきた気がします。

> まず最初に、「慰安婦問題とはなにか」という根本的な点について。
> 僕は慰安婦問題とは、「元慰安婦の方々の被害の訴えに応じて、その訴えに示されているような歴史的事実があったのかどうかを検証し、事実であればそれに応じてどういった形で謝罪や補償を行うかを判断する」というものだと思っています。
> 「慰安婦の方々の『訴え』が問題の中心であり、真偽の判断の対象だ」と書いたのはこういう事なんです。

この認識が私と少しずれているのかもしれません。私が問題にしたいのは当面のところ「当時元慰安婦の人たちのおっしゃるような行為が(本人達だけに『限らず』)行われたか否か?」です。「厳密に元慰安婦の証言の真偽を判定する」とは少しニュアンスが異なります。また、これが現在の問題の中心ではないかとも思っています。

まず、従軍慰安婦問題がこういった元慰安婦達の証言によって成ってきた事は認めるところです。しかしながらその一つ一つの証言を立証する事はきわめて難しいと思います。証言を立証する時にその証言を根拠とする事が出来ない……。なるほど佐々木さんのおっしゃりたい事はこの事であり、この点についてはその通りだと思います。

しかし、問題を「果たしてそのような事が当時行われたのかどうか」と言う点に変えますと、元慰安婦の方々の証言は証拠の一つに成ると思います。逆を言いますと「当時元慰安婦達の証言通りの事が行われていた」と立証されても厳密には「その人がその事実通りの処遇を受けたのか」と言う事を証明するものではないと思います。

例えば仮にと言う事で、吉田証言が事実であったと立証されたとしましても、元慰安婦の方々がすべて強制連行された事実が確定したかと言えばそうではないと思います。ただ、「強制連行の事実があった」となる事は非常に重要な事だと思います。現在は主にその点について追求が行われていると思いますし、私もその点についてお話してきたつもりです。
このような問題の変換は「論点のすり替えだ」とのご批判があるかもしれませんが私はそうは思いません。

それは先に申したように元慰安婦達の証言を完全に立証する事は困難を通り越して不可能に近いからです。証言も期待できませんし、書証も「だれ某をそうした」などと言う具体的書証が、すべての元慰安婦の方々に対して見つかるとはとても思えませんし。

しかし、元慰安婦達の証言をもとにして(証拠の一つとして)当時の慰安婦の方々の実態を浮き上がらせる事はそれに比べると実現性も高く、また、歴史的にも非常に重要な事だと思います。この点から出発して、少しずつ元慰安婦達の証言の真偽に近づいていけば良いと思いますが(元慰安婦の方々のご年齢を考えるとそれほどのんびりもしていられませんが)どうでしょうか?

佐々木さんの疑問に答えられるかどうかは分かりませんが如何でしょう?

ではでは。

(引用におきましてはかってに改行いたしました


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