脱ゴーマニズム宣言裁判を楽しむ会議室
1998/04/16(12:17) from 202.211.65.179
作成者 :悟のぱぱ(ymaeda@ps.inforyoma.or.jp)
Re: 軍命令の存在について
こんにちは。あれくさん。

あれく wrote:
>こんにちわ、悟のぱぱさん。あれくです。

>上杉氏もしばらくお出になられないみたいですので、何点かについて分かる範囲でお答えします。いま少し忙しいので、手短になる事をお許しください。m(_ _)m


>>統制違反は犯罪として罰せられてますよね。良く引き合いに出されるスマラン事件の関係者も当然罰せられているし、慰安所は軍の命令で閉鎖されている。
>>これは、むしろ、軍が終戦間際になっても強制連行を容認などしていなかったという事を示すものではないでしょうか?

>この「白馬事件」についてですが、当時日本軍は関係者の「処罰」は「士気の低下に関わるため」おこなっていなかったと思います。ただ、慰安所が閉鎖されたのは事実で、結局関係者が処罰されたのは戦後であったと思います。当時の軍法会議の資料でもあったのでしょうか?


すみません。これは私の錯誤でした。処罰されたのは戦後でしたね。申しわけございません。
ただし、軍が強制連行による慰安所を認めなかったということは事実ですし、強姦その他の罪が軍規違反として厳罰に処せられていたのも事実です。軍の方針でなかったことは明白だと思うのですが。
そして、関係者を処罰しなかったということと、軍が命令して行ったというのでは、軍の責任の内容も当然違ってきますよね。その点が、日本という国の名誉には大変大きな違いだと思います。(前回の議論であれくさんも、こういうスタンスを認めて下さったと認識した上で言いますが)
で、私が言いたいのは、軍が命令した強制連行が、より日本にとって恥であり、真実ならば、我が国は全国家予算をなげうって国家財政を破綻させ、国民を犠牲にしてでも謝罪すべきだと私は考えます(日本政府に謝罪を求める立場の方々はそれだけの覚悟、当然おありですよね)。
もし、犯罪者を処分しなかったというレベルで日本が悪いとしたら、国家予算をなげうつほどの事だとは私には思われません。おなじ悪いにもレベルがあります。
ですから、私は、軍の命令による強制連行にこだわりますし、広義の強制、不作為の罪というスタンスの議論にはその最重要点が明らかになってのち、議論したいと考えています。前にも申し上げましたが、論点を絞り込み、議論の拡散を避ける意味でも有効なはずです。この点、みなさん、ご同意いただけませんでしょうか?

>>軍隊内部の個人或いは一部の集団が軍規を逸脱して犯した罪も全て軍の犯した罪であると主張する人は、ご自分が軍隊においてその罪を犯したときにもそう主張出来るでしょうか?もし、そう主張できると答える人がいれば、私はその人を軽蔑するでしょうし、そうできないのならば、結局そういう立場に自分の置いて考えていないという事です。

>この点については法的な根拠がありまして、主張できる出来ないの話ではなく、処罰しなければ「いけない」ものであったと思います。それを怠れば当然問題だと思います。

ですから、ちょっと論点が違いまして、私が言いたいのはこういう事です。

私が戦場で暴行を働いた。でも表沙汰にならなかった。戦後、なにかの拍子にそれが表沙汰になった。或いは回顧録を私が書いた。そのときに、私が「あれは全て軍の責任だ!」というかって事なんです。法的な問題ではなくね。あれくさんだってそんなこと言えないでしょう?

強制連行アリと主張する方々は、こういった個人レベルの問題も全て軍に責任ありとしていますよね。重要なのは、軍による命令なのか、個人のレベルで行われたことなのか、て事です。私が軍の命令で暴行をしたのならば(そんな想定自体変ですが)、「軍の責任だ!」と言うかもしれませんが、個人として犯した罪はやはり個人に帰するべきでしょう、というのが論点なのです。それを自分に置き換えて考えてみて下さいと言っているのです。

>>「鈴木陸軍中将の命令」というのは、持ち出さない方がよいと思いますが..
>>...。スグルさんもご指摘の通り、中国の戦犯管理所で何年も拘束されて書かされたものですよね。「検証が必要」なのではないですか?それを抜きに証言としていきなり有効になるものでしょうか?吉田証言の際には、秦教授の調査は疑問がある、名乗り出ることを押しつぶす周囲の圧力が明確に存在していたからだ、というスタンスですね。とすれば、鈴木陸軍中将の場合は、「供述を強要する圧力が明確に存在していた」のではないですか?それをいきなり証拠として取り上げることはかなり軽率な行為のように思えます。(最低限、疑問があるというスタンスは必要でしょう)もっと突っ込んだ言い方をさせて貰えば、明らかなダブルスタンダードではないでしょうか?


>この点は非常に難しいのですが、曲がりなりにも一個人を「ウソつき」と仮定するかなり重大な主張をするわけですから、それなりの証拠が必要であると思います。鈴木氏に「供述を強要する圧力が明確に存在していた」証拠はあるのでしょうか?もちろん当たり前だ、と言う訳にはいかないのはお分かりだと思います。それは確定的証拠も無く「強制連行はあったのだ!」と言うのと同じなのですから。特に中国の戦犯管理所は当時は「罪を憎んで人を憎まず」の方針で非常に緩やかな環境であったと聞いております。

>本当にウソなら日本に帰ってからでも本人は否定すると思いますし。


戦犯管理所ですよ?緩やかだったら、本当の事を言っていると?10年も拘束されて思想教育されても?(思想教育をされていたと言うことは疑いないです。朝鮮戦争時のアメリカの捕虜が洗脳と思想教育をされましたよね。同時期に日本の戦犯に対してはそれをしなかったのでしょうか?詳しい内容が必要なら調べますが。)

かつて、戦犯管理所からの調書から、とんでもないのが出てきてましたよね。
「慰安所」が「強姦所」って書かれていたやつ。強姦集計表まであって、犯された女性の年齢が書かれてたりとか。あれも本当ならば、ものすごい証拠のはずですし、ここで上杉さんも挙げられてもおかしくないと思いますが、今や誰も見向きもしなくなっています。なぜでしょうか?
その徹を踏まないように、持ち出さない方がいいのでは...と言ったのです。

それに、中国が行っている事について、ご存じ無いわけではないでしょうに。
日本を侵略国家だとし、また軍事大国になりつつあると非難しながら、自身はチベット侵略を行うような国ですが。自国の現在の侵略を棚に上げ、日本の過去の侵略を糾弾するというのはつまり、中国が平和のために侵略を否定していると云う立場ではなく、外交カードとして、日本の侵略を利用しているということではないでしょうか?こういった調書はそのためのカードの一つでしょう。あれくさんが共産主義の信奉者ではないと仮定して述べますが、相手は共産主義による独裁に近い国家なのですよ。民主主義の国ではないのです。その点を忘れてはいけません。

>どのような証言でもそうですがそれを「ウソ」と簡単に断じてしまうのは少しおかしいと思います。「ウソ」ならば「ウソ」である確定的証拠が必要だと思います。悟のぱぱさんはその点どのようにお考えでしょうか?
>

私が、ウソと言いましたか?そうではなく、証拠として持ち出すならば、当然検証が必要でしょうと言っているだけなのですが..。その点において秦教授の調査に対する認識との落差がダブルスタンダードだと言っているだけで。
ですから、最低限「検証されていないので疑問はあるが」というスタンスは必要ではないでしょうか?その点はむしろあれくさんのスタンス(イデオロギーは排除して真実を明らかにしなければいけない)なら認めて下さると思っていましたが。

吉田証言に関してはコメント頂いてませんが、どうお考えになりますか?上杉さんの文意を正確に読んだあれくさんですから、私の疑問にお答えいただけるかなと思っています。(上杉さんのかわりというわけではないですが...せっかくご返答いただいたので


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