脱ゴーマニズム宣言裁判を楽しむ会議室
1998/04/20(01:29) from 143.90.207.233
作成者 :スグル(series@anet.ne.jp)
Re: スグルさんへお返事
どうも、スグルです。

>解決済みなので強制連行の証拠にはならないとおっしゃる
>のですか?それは変ではないでしょうか?

「強制連行の証拠」というと少し誤解を招きますね。この場合は「一部の悪い軍人が軍規に違反して起こした強制連行」ですね。あれくさんの言う「強制連行」とは違って僕は「軍命令による強制連行」の意味で「強制連行」という言葉を普段使っていたので、話がややこしくなってしまったようです。1つ前の投稿で出した例も「軍命令による強制連行」の意味で使っていましたので。
僕は「軍規違反の輩による強制連行の存在」は認めています。前にも書きましたがこのスマラン事件はオランダ人女性に多大な迷惑をかけた痛ましい事件です。この事件の存在を僕は否定しません。忘れてはならない事件です。(本当ならこれで話しは終わっているはずなのになあ…。)

>個人の犯罪を見逃した場合国際法の尊守を徹底しなかったことになり、国家の犯罪であると思います。白馬事件は解決済みであるものの、そういった事例の一つであると思います

確かにスマラン事件において日本軍は当事者を裁かず、無責任な事をしました。しかしあれくさんも「解決済み」とわかっているなら、これ以上ナンヤカヤ言う方がおかしいと思うのですが…。スマラン事件は(残念ながら戦後でしたが)裁判も行われ、当事者は死刑を含む重罪に処されて「解決した事件」でしょ。でなければ50年近くも経ってから浮上してくる訳がありません。(しかも持ち出してきたのは日本側だし。)この事件についてはもう「オトシマエ」は着けているではないですか。一体これ以上何をする事があるんですか?

>私が今述べているのは「強制連行があったのかかなかったのか」であり、「事件が解決済みかそうでないか」ではありません。(中略)事実を問題にしているのですからそれを偏見と言われても納得はいきません。

「強制連行アリ派」の人達の中にはよく「木をみて森をみない論」と言って、その1本の木にしがみ付いて(笑)未だにスマラン事件を引き合いに「軍による強制連行」を主張している人が多く、あれくさんはそういう人達とは違うのかと思ったのですが、上の(4/19)悟のぱぱさんへの反論を見て、あれくさんの立場がよくわからなくなりました。「スマラン事件にケリを着けなくては『軍が強制連行による慰安所を認めていなかった』とする根拠にはなり得ない」と、日本に疑いを持たれるのは勝手ですが、既に国家間で解決済みの事件を根拠に「強制連行説」を語る姿勢が全く理解できません。それはやはり日本に対する偏見としか思えません。

>いつ私が「軍命令による人狩り的強制連行」として白馬事件をあげましたか?私は「強制連行」の証拠としてあげただけで「軍命令による人狩り的強制連行」に問題を限定した覚えは無いです。仮に「軍命令による人狩り的強制連行」に問題を限定するのならばたしかに証拠にはなりませんが…。

そもそもこんな議論に発展したのは、僕が以前に六田さんに対して「日本軍が慰安婦を奴隷的に拘束し、制度化したという確証はどこにも無いんです。」と発言したのに対し、あれくさんがスマラン事件を引き合いに出された事がキッカケですね。ここであれくさんは「これは慰安婦を奴隷的に拘束した確証になりませんか?」と疑問を呈されました。そこから今のような議論に発展しました。
確かに慰安婦を奴隷的に拘束した事実はありました。スマラン事件はその1つです。しかしこれは「軍規違反の輩による暴走行為」であり「軍の方針で行われた」事例は未だ何1つ見つかっていません。そこのところのスタンスは僕は一切変えていないつもりです。僕は最初から「軍命令による強制連行」しか問題にしていませんから。

>歴史的な考察になんで日本国憲法が入ってくるのでしょうか??
>いま行なっていることは普遍的な(国際的に通用すると言ったら大袈裟か?)歴史的考察であり、厳密に裁判ではありません。歴史的考察に日本国憲法を持ってくるのははじめてです(^^;)、そんな歴史書は見たこと無いです。スグルさんは「拘禁状態における影響としてこれこれこういう状況がありました。したがってこれを証拠とすることは出来ません」と主張すべきであり、憲法を盾にすべきではありません。

…??どういうことでしょうか?慰安婦問題って歴史的考察の問題だったんですか?それはあくまであれくさん個人の立場でしょう。僕はあれくさんが以前の投稿の中で

>拘禁状態における証言が裁判で却下されるというのはどのような根拠に基づくものでしょうか?是非お教え願えませんでしょうか?また、長期拘束された末の供述が証拠になり得ないというのも不思議です??たとえば警察に逮捕され長期拘留された末自白した場合その自白、供述した内容は裁判では根拠にならないものなのでしょうか?(*あれくさんより)

と質問されたので、それに答えたのですが。僕何かおかしな事言いましたか?ちなみに僕は慰安婦問題は法的な問題だと思っていますので。
別に証言を証拠とする事に文句はありません。証言なども証拠になり得るものですし、(しかし拘禁状態では証拠にすらならないんですがね…)例え供述者が死亡していても、供述書に本人の署名があれば証拠として提示する事が出来るそうです。しかし僕が言いたいのはそこから先です。仮に裁判に出したら、当然反論が来るでしょ?
例えば殺人事件とかで「遺体を○○の山中に埋めた」と供述して、その供述通りに遺体が出てきたら、それはゆるぎの無い完全な「証拠」となるでしょう。イイワケの仕様がないですから。そして供述者は有罪となるでしょう。しかし「世界」の供述書の場合、「事実関係」が全くわかりません。となればその供述自体の信憑性に疑問が出る事になるでしょう?いくら「これが証拠だ!」と言って提示しても、中身が信用できなければ却下されて終わりですよ。
供述した本人を呼ぼうにも全員故人だし、内容について聞く事もできない。しかも拘禁状態による供述。だから僕は無意味だと言っているんです。却下されて終わりだ、と。検証は必要ですが、それは証拠として提示した側に「本物」と証明する責任があります。しかしこれはあくまで「仮に」裁判に出した場合ですからね。念のため。第一これが完全な証拠になったら朝日や毎日が黙ってないし、国会では経済政策どころじゃ無くなってしまいます(笑)。

>スグルさんは歴史考察を行ないたいのですよね?

僕は歴史的考察だけでここに投稿してるのではありません。(もちろん「何があったのか」を知りたい気持ちはありますよ。でもその程度です。)僕は歴史的考察以上に、証拠不充分のまま日本に罪を着せ、国家補償を出させようとする上杉氏を始めとする「強制連行アリ派」の人達の運動の在り方に疑問を感じて投稿している部分の方が遥かに大きいです。
今回上杉氏が中国戦犯管理所の供述書を持ち上げていたのに対し、僕は「慰安婦問題の解決の役には立たない」と言いました。イメージ操作の域を出ない、と。歴史的考察の意味で言っているのでは無い事は明らかだし、少し僕の事を誤解されているのでは?

>証言、と言うものはそこに事実が書いてあることが前提であり、もし嘘が書かれているとするのならそれはそれで証拠、検証が必要です。そういった矛盾する証拠が無いので、単独で証拠と出来るとしているのですが?

そんなムチャな…。ウソだという証拠がなければ証拠になるんですか?別に「証言は証拠にならない」とまでは言ってませんよ。それは前述した通りです。しかしそれ以前に証言というものは信憑性がなければ意味がありません。慰安婦の人達は「日本に被害をうけた」と証言しています。しかしそれを裏付けるものが何もありません。しかも場所が変わるたびに内容が変わり、信憑性に問題がある上証言に合致する資料が全く存在しません。
たとえ「私は殺人者です」と自首して来ても、犯罪があったと認められなければ(例えば遺体が無かったりすると)有罪にすることはできません。
「強制連行アリ派」の人達にハッキリ言うなら、「信憑性の無い証言や軍紀違反の事例をかき集めて無意味なイメージ操作ばっかりやってないで、事実を裏付ける物的証拠を探せ」という事ですね。


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