脱ゴーマニズム宣言裁判を楽しむ会議室
1998/04/25(15:01) from 143.90.207.223
作成者 :スグル(series@anet.ne.jp)
Re: そろそろ歴史的考察ではムリがあるのでは・・・。
どうも、スグルです。前半は僕への返事に対する文章ですが、後半で悟のぱぱさんへのレスについても話したいと思います。

>>あれくさんは歴史的考察と言ってますけど、あれくさんが持ち上げている吉見理論は法的考察が遥かに大きいですよ。しかも最初から推測で日本を犯罪者扱いしている上、断定形を前提とした理論ですよ。(*スグル)
>私は別に断定はしていませんよ。思うとか憶測と言うのは断定を前提とした表現なのでしょうか?それから考察をしているのは確定したと認められる事実に対してで、考察はその範囲内においての話で、直接的証拠が無い限り「憶測」です。(*あれく)

そうではなくて、あれくさんが支持している「吉見理論自体」が憶測を根拠に「日本は犯罪をやった」と断定している理論だという事です。ここから話を発展させることは話を単に引き伸ばす事にしかならないのではないでしょうか。

>>大体「一緒だったらどうなるか?」なんて言う偏見を前提にして問題の核にされて犯罪者扱いされたら訴えられる側(日本)がたまったもんじゃないんですがね…。まあそれは裁判の現実かもしれませんが。(*スグル)
>たまったものではない、とかそういう政治イデオロギー観点を歴史考察に持ち込むことをしていないだけです。結果日本はたまったものではないかも知れませんが、安易に否定しては元慰安婦の方はたまったものではありません。(*あれく)

いえ、政治イデオロギー観点とかいう話じゃなくて、「常識的な観点から」って事です。まがいなりにも日本という「国家」を犯罪者扱いするなら、ちゃんとした確たる証拠と論拠をもってから訴えろ、って事です。そうしないと無意味に裁判が長引くだけですから。まあ言ってみれば僕の愚痴です(笑)。あれくさん自身下のように、

>従軍慰安婦問題は現在においてまだまだ証拠が少なくて、断定できる状態ではないと言うことです。考察が出来たとしても「憶測」「可能性の話」しかできないと言うことです。

こう認めているわけでしょう。まずこんな無責任な状態で国家を訴えないで欲しい、と僕は考えています。実際裁判になってるわけですから。
相手を犯罪者だと訴えて裁判を始めておきながら、いざ「確証は?」と聞かれると「確たる証拠は無い。断定できない。今後の検証に期待する。」なんて開き直る事が、果たして信用できる態度なのか?って事です(普通なら証拠不充分で却下されて終了のはずですから)。
もしこの点にあれくさんも違和感を感じるなら、無批判に宣伝している上杉氏達の運動の在り方にも批判を向けて欲しい。と思います。

それにもう1つ言うと、いわゆる「強制連行アリ派」が提示する証言に対する疑念。彼らは証言をただ「提示」するばかりで事実関係をハッキリさせないばかりか「ウソだと証明してみせろ」と立証責任を相手(日本、もしくは論戦相手)になすり付ける、という論法を取っています。これって基本的に卑怯な手段なんですよね。どんな場合においても自分の提示した証言を「本物」と主張するからには、立証責任が自分側にあるのは常識中の常識で、真偽の検証を相手に委ねるなんて事自体論外です。こういった態度を見る限り、真面目に検証しているとは言い難いですね。「日本軍=悪」という宣伝運動にはずいぶんご健勝のようですが(笑)。
あれくさんは下の悟のぱぱさんへのレス(4/24)に自由主義史観派への「いい加減な」主張を指摘されていますが、これは南京事件についてですね。僕は慰安婦問題について話していたんですが…。しかし気になる部分があるので、答えたいと思います。

>30万人虐殺説とかありますよね。それに対する反論として当時の南京の人口が22万人であったとする論旨があったと思いますが、これは南京大虐殺の定義を考えてないと思います。

「西にアウシュビッツ、東に南京事件」などという汚名に対し、誤解を解こうとする行為自体はおかしくないと思います。まずたった2ヶ月で、しかも爆薬を使わず、人力で30万人などどうやったら殺せるのか?明らかに誇張された史実に反する事柄を安易に認める必要はありません。

>まずマギー神父は極東軍事裁判の資料によると「私は自分の証言の中ではっきりと申してあると思ひますが、唯僅か一人の事件だけは自分で目撃しました」としています。この証言だけを見ればああ、一人だけなのだな、と思われますが、別の証言で「時々中国人が列を作つて引張られて行く、さうして殺されるのを私は目撃したのであります」ともしています。
>矛盾が生じてます。少なくとも「マギー神父が見た虐殺は一人である」とするのは無理があり、検証が必要と思われます。

僕は南京事件についての本は全く読んだ事がないので、詳しい事は言えませんが、僕の考えられる範囲で答えます。
あれくさんは、藤岡・渡部両氏がマギー神父の証言を歪曲していると指摘しています。しかし重要なのは、マギー神父が、弁護士による「反対質問」で「1人しか目撃していない」と明言した事ではないでしょうか。マギー神父はそれまでに裁判の中でありとあらゆる虐殺・蛮行を証言していたのでしょう?そして「その中で自身が目撃したものはどれだけあるのか?」と弁護士に聞かれて、「1人しか目撃していない」とハッキリ答えたわけです。他にも目撃していたなら、なぜマギー神父はその場で「他にもたくさん見ました。」と答えなかったのでしょう?
おそらくマギー神父の場合は、蛮行の数々を言いまくったまでは良かったけど、弁護士に「自分で目撃したものはどれだけあるのか」とストレートに聞かれたために、ついポロッと「1人しか目撃していない」事を白状してしまったというところでしょう。

そして強姦所資料の件ですが、あれくさんは個人の主観は事実と関係ないと言っていますが、例えば南京事件で「私が虐殺をしました」と名乗り出て「郵便袋に人を入れてガソリンをかけて火を着け、転げ回る火玉に手榴弾を結び付けて沼に放り込んで爆発させた」と主張して、かつての戦友から「私はそんな事やってない」と名誉毀損で訴えられ敗訴したという人がいます。転げ回る火玉に手榴弾を結び付けて沼に放り込むなど物理的に不可能だという「主観」が決め手になったそうです。そんな危険極まりない行為を人間が出来る訳が無い、明らかに作り話が入っていると(実際被告人は有効な反論が出来なかった)。あくまでこれは1つの例ですが。
検証とかになったら主観は外せませんよ。僕は悟のぱぱさんの主張が妥当だと思いますよ。戦犯として捕えられるという状況で「強姦集計表」なんて残す人はまずいないでしょう(大体そんな物を作っていたと言う事自体怪しいですが)。中国が寛大政策しているなんて、その時はわからないんですから。仮に管理所で書かされたなら、ずいぶん記憶力のいい人だなと思いますが(笑)、拘禁状態という時点で裁判じゃ却下だし、事実関係を裏付ける役には立たないでしょう。

最後にスマラン事件ですが、「結局どうとでも言えます。」とあれくさん自身認めていると言う事は、つまり軍が売春を強要した違反者を放置したという不祥事はあったが、「軍本部の命令によって慰安婦を強制連行した事例はみつかっていない」でいいですかね?
長くなりましたが今日はこの辺で。


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