脱ゴーマニズム宣言裁判を楽しむ会議室
1998/05/03(01:40) from Anonymous Host
作成者 :秋月 康夫(AKIZUKI@chollian.net)
Re: 判決を受けての支援組織の声明【資料】
 「戦後責任を問う・関釜裁判を支援する会」から地裁判決を受けての声明文が発表されています。私のところにも送られてきたので、掲載します。(上杉さんもお持ちだと思うんですが、立場上、ご自分で投稿するのは控えたんじゃないかと思いますので、私が載せることにします。
ホント言うと、自分のところにも載せたんですが……)

 今回はあくまで資料ということで。自分の意見は書きません。
 もしコメントがついたら、内容を見てから書き込むことにするかもしれません。

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 判決に対する声明文

 1998年4月27日

 戦後責任を問う・関釜裁判を支援する会

 日本の植民地支配と戦時の強制連行により、日本軍「慰安婦」にされた3人と、日本の軍需工場で強制労働させられた少女たち=女子勤労挺身隊員7人が、加害国・日本に対し、尊厳の回復を求めた裁判の判決が、本日4月27日山口地裁・下関支部にて言い渡された。

 本日の判決は、東京での他の5件の元日本軍「慰安婦」裁判に先駆けた判決として、被害当事者たちはもとより、国内外の支援者たちの強い注目の下でなされた。

 5年4カ月、20回に及ぶ口頭弁論で、原告たちは想起するだにつらい被害事実と癒されぬ戦後半世紀の苦悩を語り日本国の誠意ある対応を求めてきた。とりわけ、性的被害者であるが故にさげすみと孤独の中で呻吟してきた元日本軍「慰安婦」原告たちが、被告・国の罪を告発することを通して尊厳を自ら取り戻して行く姿に、わたしたちは心を揺さぶられてきた。

 日本国は憲法前文と第9条で、恒久平和と国際主義の高い理想を掲げて戦後の歩みを踏み出した。この戦後に自ら課した責任は植民地支配と侵略戦争の真相究明、及び被害者たちへの謝罪・賠償をもって果たされる。にもかかわらず、歴代政府は憲法の精神に背を向け続けてきた。そのような中で、この裁判は原告たちの訴えに応え、アジア諸国民の信頼を回復する歴史的使命を帯びた重要な裁判である。

 原告たちを始めわたしたち支援者は、山口地裁・下関支部が関釜裁判のこの歴史的使命を自覚して、戦後責任に応える判決を行うことを期待した。

 判決は「従軍慰安婦制度は、徹底した女性差別、民族差別であり、女性の人格の尊厳を根底から犯し、民族の誇りを踏みにじるもの」であったことを認めた。国による立法解決の必要性を踏まえ、1993年の河野官房長官の談話以降3年以上が経過して今尚解決されていない現状に立法不作為の国家責任を認め、日本軍「慰安婦」原告3人に30万円の賠償を命じた。戦後補償裁判の打ち続く請求棄却が続く中で、今回の判決は画期的内容である。しかし被害事実を認めながら、公式謝罪と被害そのものに対する賠償を命じなかった判決は極めて不当であると言わねばならない。

 また、女子勤労挺身隊員の請求は「慰安婦原告らの被った被害と比べると、その性質と程度に相違があり」としてすべて棄却された。原告たちは裁判所で凄まじい怒りを爆発させた。女子勤労挺身隊員に対する人権侵害は日本軍「慰安婦」と比較されるべきものでなく、その深刻な被害実態に対して、謝罪と賠償がなされなければならない。

 日本軍「慰安婦」と女子勤労挺身隊員への被害事実を認めながら法的救済に勇気をもって今一層、踏み込む事を回避した本日の判決を聞いて、わたしたちもまた、原告たちの無念と強い憤りを共有する。

 本日の判決は立法解決に向けて大きな展望を切り開いた。これを成果として踏まえつつも、請求のほとんどが棄却されたこの判決に抗議し、原告たちと共に広島高等裁判所に控訴して更なる支援の輪を広げ、たたかい抜く覚悟である。

 さらに日本軍「慰安婦」、強制連行被害者たちの真相究明の調査会法実現の動きにも呼応し、司法と立法の両面から原告たちの尊厳回復の闘いに応えて行きたい。


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