脱ゴーマニズム宣言裁判を楽しむ会議室
1998/05/29(22:21) from Anonymous Host
作成者 : 悟のぱぱ(ymaeda@ps.inforyoma.or.jp)
秋月さんへ。遅くなってすみません。
秋月さん、こんにちは。お返事が遅くなって申し訳ありませんでした。
まとまった時間がとれなかったもので。

五つの論点についてあなたとお話をしましたが、書き方、立場などの相違というものが文章を理解する際に如何に大きな影響を与えるかを痛感しました。
敢えて、これ以上、あなたに反論しても、水掛け論になりかねません。
それぞれが、「私はそうは思いません、という「印象」に対して、それを補強するための理屈付けを繰り返すだけになりそうだからです。

ただ、どうしても申し上げておかねばならないいくつかの点とご質問へのお返事については述べさせていただきます。

ます、「1.虚報事件は、自由主義史観を貶める意図があったのか。」に関してです。

以下は、ここの管理者でもある今井恭平さんのこの問題についての文章
http://www.jca.ax.apc.org/aml/9804/8358.html
からの引用です。
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こうした中で、人権を語る資格など薬にしたくてもないような週刊新潮がスキャンダルとしてこの問題を扱い、またリビジョニストの提灯もちに成り下がった小林よしのりがSAPIOの「ゴーマニズム宣言」で、新潮の尻馬に乗って毎日バッシングにこの記事を利用しています。私たちは、こうした右派インチキジャーナリズムによるデマ宣伝を許さないためにも、慰安婦問題で意欲的な報道をつづけてきた毎日の誤りを、正しく認識し、その背景にある日本人の歴史意識そのものを問う一つの材料となっていけば、災い転じてよい方向に行きうると考えています。
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このような短絡な発想からの否定であったとしたら、私はあなたと議論したことを後悔します。この文章に含まれる「右派」なるものへの悪意は、どうでしょう。
リビジョニストの提灯もちというレッテル貼りは、まあ許すとしましょう。
しかし、「右派インチキジャーナリズムによるデマ宣伝」とはなんでしょうか。この問題でインチキやデマを書いたとでも?
記事を利用?記事の捏造を批判したら利用なのでしょうか?
自らを絶対正義とし、相手の立場を徹底的に攻撃する。自分自身の相対化も客観視も、相手の立場への思いやりもない。このような方と、議論は絶対にできません。あなたが、今井さんと同じ考えをお持ちでないこと、今井さんのこの文章に賛同しない人である事を祈ります。そうでなければ、私はあなたの先日の悪意ある文章の理由をここに見いだすことになりますから。

    3.毎日新聞の記事に対する私の批判は正当か。

>>この記事に拠れば、日本は「行為としての強制連行」を犯罪として裁いていたのであるから、この記事は「日本の責任による強制連行」の裏付けとはなり得ない、という事を主張したのです。

> わたしも、そう思います。この記事じたいが「日本の責任による強制連行」の裏付けだとは言えませんね。この記事が、日本が「行為としての強制連行」を犯罪として裁いた事例だと言うことも、そのとおりです。
> そこに対してあれこれ言ったつもりはないのですが……

一度あなたの文章を読み返して下さい。

>悟のぱぱさんは、4月20日143番の記事で、「強制連行の証拠が見つかったのか!と慌てて」くだんの毎日新聞の記事を読んだら、「強制連行の有罪判決の記事でした」と書きながら、「私は少し目を疑いました。当然でしょう?これは、強制連行を犯罪として取り締まっていたという証拠ではないですか?なんで、これが強制連行の裏付けなの?」と書いています。同じ文の中で「強制連行を取り締まった」と書きながら、「強制連行」の裏付けであることを疑う、不思議な文です。この記事を見ても、「未遂」ではなく、「国外移送、国外誘拐罪」だと書いてあるんですが。

完全に私の主張を誤解していると私は思いましたのでご説明したのです。
それに対しての答えは、当然、「あなたの主張は分かりました」ではないのでしょうか?
最初から私の主張が理解できていたかのような口振りですね。
また、あなたの理解も私と同じだとすれば、最初の時点で、私の主張がどうしてあなたに理解してもらえなかったのか大変疑問に思います。

    4.吉見教授に対する私の感想は人格攻撃なのか。

これに関してはご質問に対してお答えします。

> 問題は、「吉見氏の研究姿勢や主張が悪意に満ちている」と受け取れることです。
>結論への批判はともかく、結論づける動機を「悪意」と決めつける根拠はなんですか?

結論への批判は「読みとれる事実以上に日本を糾弾しようとしている」という点です。「事実以上に相手を悪く言う」のは、悪意があるからではないですか?
つまり、私は、「吉見教授は事実以上に日本の事を悪く言っているから、悪意がある」と結論したという事です。
また、蒸し返して申し訳ないのですが、あなたは、「被害妄想」と私を事実以上に悪く言いました。それに対しては、あなたが私を「事実以上に悪く言っている」と思うと同時に、あなたが私に対して悪意があるという判断も同時に為されるということです。

>>多くの業者による強制連行があったにも関わらず判例が他にないという事は、軍の依頼がある場合、犯罪を見逃していたからではないか。

>ということですが、正直言って、「多くの業者による強制連行があったにも関わらず判例が他にないという事は」をつけるかどうかで、「悪意」のあるなしが変わるとは思えません。(それとも、ここの部分の悟のぱぱさんの文脈をわたしが読み違えているのでしょうか?)

これは、あなたが、他に判例がないという状況証拠を以て、犯罪を見逃していたという仮説を立てられましたので、もし、吉見教授に同じ意図があったとしたら、こう書くべきだったということを申し上げただけです。

>>あなたは、これに関係する私の質問に答えて下さらないので、もう一度聞きますが、どんな犯罪でも発覚しなければ裁けないと思うのですが、その点、どうお考えですか?

>は、つながりのよくわからない論点です。

この質問は、あなたが「裁かれていない事例がある」という点を「見逃していたのではないか」の根拠にしているからです。私の主張は、発覚しなければ裁けない、という一点ですから。

> (小林氏と、討論したときには、わたしはたしか、「それなら、戦時レイプは処罰されていたんじゃなくて、処罰できなかったっていうべきでしょう」と反駁したと思います。

それでは、小林よしのり氏の返事とかみ合いませんよ。それでは小林よしのり氏はどう答えたのですか?

    5.坂竜飛騰さんの主張に対しての評価。

> わたしが見た限り、職業が新聞記者ということを明らかにしている以外に、「個人の資格で投稿したとは到底思えない」とか、「公正を装っている」とか、いえる部分はないと思います。取材だって、新聞記者じゃなきゃできないようなものではなかったし。で、職業が新聞記者だからといって、自分の意見を持ってもいいし、それを言う場があったっていいと思いますよ。

自分の意見とおっしゃいますが、萩原さんがご自分の意見を述べていらっしゃったでしょうか?お探し下さい。彼は、取材結果とご自分の体験談をただ、書き連ねただけですよ。自由主義史観の理論に対する批判、反論、そういったものは一切ありませんでした。
従軍慰安婦問題や歴史認識に対する彼のスタンスというものも全く見えません。
つまり、私が申し上げたいのは、彼は自分の意見を言わずに、新聞記事のごとき事実の叙述をしたのみだという事です。
彼が、例えば「自由主義史観はかくかくしかじかこういう理由でおかしい!」という主張の仕方をなさったら、議論もしましょう。その時に、「新聞記者が意見を言うな!」とは絶対に申しません。当たり前のことです。意見を言った時点で、同じ土俵なのです。
実は、この件については、ご本人から個人的にメールを頂きました。私信ですので内容は紹介できませんが、論旨はあなたとほぼ同じです。そして、それに対して、私は、同じお返事をさせていただきました。随分経ちますが、それに対するお返事は頂いていません。

> わたしは、「情報操作」というのは、虚偽の情報を流したり、他人の主張を歪めて紹介することだと思っていたのですが、これを批判した人は、取材対象が偏っているという論点だったんでしょう。

いいえ。それだけではありません。こういう対立する主張がある場合、情報源が偏ることも情報操作です。これはあたりまえの事です。情報源自体が、情報操作をしている可能性もありますよ。(事実、田中正明氏の松井大将の陣中日誌改竄事件については指摘しましたが)それを取材する側は知らなかったでは済ませられません。
そもそも、取材した全員が自由主義史観に対して「強硬な」反対意見を述べているという時点で、情報源が偏っているのではないかという疑問に無自覚だとしたら、その時点で「?」です。

以上です。大変お返事が遅くなって申し訳ありませんでした。では。


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