「日本が中国に残置してきた化学兵器類の除去作業が日中で話し合われています」
そのことに関連して、浜田和幸/著『たかられる大国・日本』の84〜85頁から抜粋します。
本来、この条約を厳密に解釈すれば、日本には遺棄化学兵器の処理の責任はないとはねつけることも可能性(注・ママ)であった。なぜなら、日本は完全なる武装解除を求めたポツダム宣言を受諾(じゅだく)して降伏したからだ。
ということは、降伏にあたって、旧満州と万里(ばんり)の長城(ちょうじょう)以北にいた日本軍はソ連軍に、その他の地域の場合には、中国軍に武器弾薬を差し出すことになったのである。したがって、化学兵器を含めた旧日本軍の武器弾薬は、このとき、その所有権はソ連軍ないし中国軍に移っていたのである。
となると、問題になっている旧日本軍製の化学兵器類というのは、遺棄したのは日本軍ではなく、ソ連軍と中国軍ということになる。
まあ、中国は、遺棄化学兵器を自らの責任で処理し、現在、中国が侵略し、植民地としているチベットから、謝罪した上で、損害を賠償し(中国軍によって、チベットで粛清・虐殺されたチベットの民間人は、100万人以上と言われていますね)、早々に退去しなければ、アジアや他の世界の国々からの信頼を勝ち取ることなど出来ないでしょうね。