残留化学兵器


投稿番号:12523 (2000/08/24 05:33)
投稿者:則巻 おかき()
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内容

>黒い提督さん
私は最後のレスで「あまりに沢山の化学兵器を満州に残しておくのが、<道義的>責任も問われるし、化学兵器禁止条約の遵守意志が疑われることになりかねないので」と述べました。あくまでも<道義的>責任であって法的責任はないということです。極端に言えば、「残留化学兵器なんて知らない」と日本が言っても法的責任じゃなく道義的責任にとどまる、ということです。ただ「当時は731の行為は違法じゃなかった」と連発することが<無神経>だと言われても仕方がないからです。だから遡及効の話はしていません。
 しかし第二次大戦当時存在した国際法の中でヘーグ陸戦規則は<不必要ノ苦痛を与フベキ兵器>は禁止されていること、また毒ガス禁止宣言(1899年)もあります。
 あと、黒提督さんがおっしゃっていた1899年の宣言と別の<毒ガス禁止議定書>です。
これは1925年に日本は署名だけして、1970年に批准発効してますが、第二次世界大戦時には毒ガス禁止原則は一般慣習国際法として成立していたというのが、欧米・日本の国際法学者の通説です。批准してようがしてまいが、積極的反対せずに諸国家によってその条約・宣言・原則の受け入れられている場合、全国家が守るべき法規範となる。例えば最近の例では国際人権規約の自由権規約の人権原則は慣習法として成立していると言われます。そう考えると細菌兵器やほとんどの化学兵器は当時合法でもガス類はちょっとレッドカードのやつもある、ということです。
 中国にとっては学説が別れそうな毒ガス禁止宣言・議定書の話をするより、残留兵器を自分たちで掘り起こして中国民間人の人体実験の骨が出てきたほうが日本に国際法違反を問いやすいと考えるでしょう。

>佐々木ぴょん吉郎さま
チベット問題は確かに許されません。民族自決権は国際法上の権利であり、チベット問題は国際関心事項です。でもチベット問題は中国と諸国家、中国と国連の間で利害関係だあるものです。チベット問題があるから、日本も、他の国もどんな国際法違反をしてもよいと言う話にはならないかと。というのは中国のチベット問題が日本の国家としての権利を害するものではないからです。
侵害されるのはチベットの民族自決権だからです。別個にそれぞれ検討されるべきことです。


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