変じゃないです


投稿番号:12553 (2000/08/29 05:31)
投稿者:則巻おかき(こけ〜こ・こっこ国際法!)
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内容

>惰夫こと雲如さん
>1)化学兵器は遺棄されたものであり、武装解除の結果引き渡されたものではない
>これにはまったくこたえていただいておりません。
以前化学兵器の所有権をレスしましたがこれに関わる問題です。戦勝国には武装解除の<義務>はない。でも抵抗されると困るので是非ともやるべきでしょう。前者の、日本軍がソ連が来る前に遺棄するのはいいとして、後者のソ連が来て武装解除→日本軍に返却という考え方には異を唱えます。まるで武装解除によって一旦ソ連に化学兵器の所有権が移るような言い方をされてますね。単にソ連が所有権の放棄をした、でいいでしょう。別にソ連には武装解除の義務があるわけじゃなく従って敗戦国兵器が必ず戦勝国に所有権が移るわけじゃない。<武装解除の結果引き渡されたものではない>は遺棄兵器についてソ連に責任がありそうなように思えます。武装解除は単に抵抗阻止の為の戦勝国の<権利>だけでしょう。

>2)石井731部隊の悪行については、なんでもっと早く暴かれなかったのか?
当時の国際連盟での日本の理屈はこのとおりです。満州は日本が承認をした国家である。
その友好国で細菌戦研究をしている。表面上、細菌防疫部隊と日本は言っていたので毒ガス製造とか具体的な研究は明らかじゃなかったです。当時の国際法では毒ガス宣言やヘーグ陸戦規則で毒ガス禁止については了解されていたがその毒ガス禁止も<防疫>と日本が言う<研究>まで禁止しているかということです。使用は禁止していても。細菌兵器や毒ガス以外の化学兵器は違法とは言いにくかった。一番の理由はパリ不戦条約は国家間の宣戦布告による<戦争>を禁止しており、そういう手続きに基づかぬ<事変>については禁止されておらず、各々の国家の国内管轄事項であると言うこと。だから国際連盟などの機関が関与もしくは化学兵器のことについて調査するのは内政干渉。こういう理屈です。
 しかしパリ不戦条約は事変など国際法上のテクニカルタームでの戦争に至らない場合でも禁止しているのは当時の日本の国際法学者でも通説でした。それと化学兵器禁止条約が化学兵器の運搬・使用など細かく禁止しているのも当時の731が防疫部隊ということで法の目をかいくぐろうとしたことです。
 共産党が中国で政権を握っていても戦後、朝鮮戦争・チベット・中ソ国境紛争・ベトナム戦争、文革、中国に731部隊問題を追求する機運はあるでしょうか。

>3)化学兵器は作戦上の理由から分散配置されていたで、丸太の実験もそこで行っていたので>すか?ますますかつてあなたが提示した「埋まっている遺棄化学兵器のそばにまるたがごろご>ろ」というイメージとは矛盾していませんか・・・
 人体実験は731部隊のことを書いたどの本でも基本的にハルピン等満州国かその周辺で拉致し連れてきて研究所で行なわれたと言うのは一致してると思いますが。作戦現場で中国人を捕まえて人体実験のための研究所がないでしょう。例えば有名どころでかなり昔に発売された『悪魔の飽食』とかは731部隊について風穴を開けた1冊ですそれにも載ってましたよ。すごく有名ですが初期の本なので文章・調査は粗いですが読みやすい。


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