本多勝一研究会資料室

松本道弘「勝負あった!佐伯/七平論争」および
佐伯真光「山本七平式詭弁の方法」書き換え比較対照表


出典

『人と日本』

行政通信社

『ペンの陰謀』

潮出版社

1977年9月25日初版刊

時期

1977年1月号

第一刷

1977年9月25日

第五刷

1979年11月15日

第八刷

平成1(1989)年6月20日

松本道弘「勝負あった!佐伯/七平論争」

106ページ

積み木を重ねるごとく、論理的構築の形成に努めた佐伯氏に対し、山本氏はトウフを重ねるごとく、詭弁を弄した形に終わってしまった。残念なことである。

私は、この論争によって、これまで無敗を誇っていた山本氏にはじめて土がついたと世間が料断したとしても、これまでの氏の論文の価値をいささかでも減殺するものであってはならないと信じる。私は氏の直感的判断を今でも高く評価している。とりわけ“空気”の哲学は、あらゆる講演の機会を把えては賞賛しているものである。従って私の発言に矛盾はない。たしかに、日本人はマスコミを含め“空気”に弱い。“空気”に左右され、“空気”で動く。私の山本氏に対する黒星判定により、氏に対する世間的評価が一時的にたとえ低下することがあったとしても、それは日本的“空気”のなせる業と断念し、さらに本来真理の探究者が支払わねばならない代価であると、前向きに判断するならば、この際潔く敗北を認めるべきであろう。一敗を喫することが恥ずべきことではなく、むしろ敗北を隠微におおい隠そうとする態度こそ、学者にあるまじき恥ずべき行為であろう。

私は山本氏のカムバックを信ずる。氏の経験から、および天才的な直感力から得た数々の観察を、論理的に肉付けし、今後当然日本が直面せねばならない“善処しかねる”諸問題を論究するために、論壇に再登場を願いたい。

最後に、もう一度両論士に拍手を送りたい。

そして両論客が微笑をかわしながら握手できる日が来たらんことを祈る。

125ページ

積み木を重ねるごとく、論理的構築の形成に努めた佐伯氏に対し、山本氏はトウフを重ねるごとく、詭弁を弄した形に終わってしまった。残念なことである。

125ページ

積み木を重ねるごとく、論理的構築の形成に努めた佐伯氏に対し、山本氏はトウフを重ねるごとく、詭弁を弄した形に終わってしまった。残念なことである。

私の山本氏に対する黒星判定により、氏に対する世間的評価が一時的にたとえ低下することがあったとしても、それは日本的“空気”のなせる業と断念し、さらに本来真理の探究者が支払わねばならない代価であると、前向きに判断するならば、この際潔く敗北を認めるべきであろう。一敗を喫することが恥ずべきことではなく、むしろ敗北を隠微におおい隠そうとする態度こそ、学者にあるまじき恥ずべき行為であろう。

125ページ

5刷に同じ。

佐伯真光「山本七平式詭弁の方法」(『ペンの陰謀』の一章』)

102ページ

松本氏の判定の一部を次に掲げる。(本書には【『人と日本』に掲載された松本道弘氏の裁定文書の】全文が再録されている。)

[私の山本氏に対する黒星判定により、氏に対する世間的評価が一時的にたとえ低下することがあったとしても、それは日本的“空気”のなせる業と断念し、さらに本来真理の探究者が支払わねばならない代価であると、前向きに判断するならば、この際潔く敗北を認めるべきであろう。一敗を喫することが恥ずぺきことではなく、むしろ敗北を隠微におおい隠そうとする態度こそ、学者にあるまじき恥ずべき行為であろう。」

102ページ

松本氏の判定の一部を次に掲げる。



[私の山本氏に対する黒星判定により、氏に対する世間的評価が一時的にたとえ低下することがあったとしても、それは日本的“空気”のなせる業と断念し、さらに本来真理の探究者が支払わねばならない代価であると、前向きに判断するならば、この際潔く敗北を認めるべきであろう。一敗を喫することが恥ずぺきことではなく、むしろ敗北を隠微におおい隠そうとする態度こそ、学者にあるまじき恥ずべき行為であろう。」

102ページ

5刷に同じ。


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最終更新日1999/11/01 (Y/M/D).