Naomi Klausner の殺人

はっきり考えている訳でもないのですけど,“永遠に断片的な小説もどき”の過程で,これを考えていたのですよ.
大体,この character の事はここに書いてあると思いますけど…
彼女が,別れた boy friend を殺した罪で逮捕され,裁判にかけられると言うもの.
全く,trick も何も考えていないけど…こうして見ると,冤罪一歩手前の事件を多く創り上げてみせる E.S. Gardner は凄い!
犯人も未定なら trick も未定…(でどうやって推理小説を創るのだ?)但し,Naomi Klausner は無実.アラブ人を別としても,人殺しをするような人間でない…大体そんな感じ…
どう思われます?

1986

Ruth Saulovich,Emmanuel dell'Israele を訪ねる.

Ruth Saulovich (profile)

Ruth Saulovich は,Weizmann 小学校の教師で偶然にも,Musa Michaels の父方の従兄の娘.つまり,アラブ人とユダヤ人の混血.
彼に愛憎半ばする感情があったりする.憎しみの言葉を口にしながらも又従妹の情報を教えていたりする.
大体が,ここで書いた時の設定か…

[Ruth Saulovich]: 例の Jeremiah Baruchowicz“不倫相手”(実際には彼は死別して当時独身なので不倫ではない)が殺人容疑で逮捕されたみたいよ.
[Musa Michaels]: とうとう彼女が逮捕か.で,被害者はどこの誰だったの?
[Ruth Saulovich]: 彼女の前の boy friend よ.
[Musa Michaels]: (アラブ人と)混血でもなんでもなくユダヤ人?
[Ruth Saulovich]: そうよ.知っているんでしょう?
[Musa Michaels]: なぜ僕が知っていなきゃいけないんだい?
[Ruth Saulovich]: 私が何年,貴方と(注:友達として)付き合っていると思っているの?
[Musa Michaels]: はっきり言おうか?誰れもその辺の事は何も言っていないし,何も知らない.
[Ruth Saulovich]: つまり,ユダヤ人だと分かっている訳ね?
[Musa Michaels]: ああ,そうさ.推測でしかないけど…
[Ruth Saulovich]: ねえ,私,彼女が殺人犯だなんて信じられないの.彼女が人を殺すと思う?
[Musa Michaels]: さあ,分からないね.分かるのは,彼女がユダヤ人を殺せないと言うのは,僕や君を殺せないと言うのよりも余程確かだってことさ.
[Ruth Saulovich]:それだけ?貴方なら事件に関する情報を沢山集めるだろうと思ったけど?
[Musa Michaels]:御免だね.Ruth-Meral を突き飛ばしたやつが逮捕された事件を調べるなんて.
[Ruth Saulovich]:彼女が刑務所にでも入ってくれたらせいせいする?
[Musa Michaels]:そうさ.
[Ruth Saulovich]:
[Musa Michaels]:
[Ruth Saulovich]:
[Musa Michaels]:

Ann Rosenthal 夫人弁護士を探す

Ann Friedman (profile)

Ann Rosenthal 夫人 は義理の姪:Naomi Klausner が逮捕されたため,弁護士を探している.が,仕事上関係のある人間にはいないため,探すのに苦労している.それで,夫の同僚の妻に相談を持ちかけている.

[Ann Rosenthal 夫人]: ねえ,Miriam ,姪の news は知っているかしら?
[Miriam Bronstein]: ええ,知っているわ.殺人容疑で逮捕されたんですってね?
[Ann Rosenthal 夫人]: そうなの.だから,弁護士が必要なのよ.有能な刑事弁護士がね.誰か知らない?
[Miriam Bronstein]: あら,もう見つけたのかと思っていましたわ.
[Ann Rosenthal 夫人]: まさか,全然…見当もつかないのに…
[Miriam Bronstein]: あら,昨日貴方が一緒にコーヒーを飲んでいたのを見かけたのだけど…
[Ann Rosenthal 夫人]: 彼女は,故 Sophie Baruchowicz 夫人の母親よ.
[Miriam Bronstein]: そうだったの?じゃあ,私の思い過ごしかしら?ちょうど,Jerusalem にあんな感じのアラブ人女弁護士がいたのよ.Fatimah Hassan dell'Israele って名前だったかしら?母親がドイツ系ユダヤ人だっただかで,Emmanuelle Therese って別名があったのだったかなあ…
[Ann Rosenthal 夫人]: そうなの?彼女,優秀?
[Miriam Bronstein]: ええ.でも,彼女は無理だわ.今は Paris にいるはずだし…時々ここに来ることもあるみたいだけど…でも,他に優秀な弁護士なら紹介してあげられるかも…
[Ann Rosenthal 夫人]: 頼むわ.

弁護士 Emmanuelle dell'Israele

Fatimah Hassan dell'Israele (Profile)

Ann Rosenthal 夫人 は,Fatimah Hassan dell'Israele の居る Natalie Simon 弁護士の自宅を朝早く訪れる.

[Fatimah Hassan dell'Israele]:こんな時間に誰かしら?(居るのが分からないように戸を開ける.)
[Ann Rosenthal 夫人]:あら…誰かいないの…
[Fatimah Hassan dell'Israele]:Shalom ,Rosenthal 夫人
[Natalie Simon]:知り合いなの?
[Fatimah Hassan dell'Israele]:Jeremiah の愛人の義伯母よ.
[Natalie Simon]:私に彼女の弁護を引き受けてくれって訳?
[Ann Rosenthal 夫人]:彼女に頼めないかと思って来たの.
[Natalie Simon]:小母様に?
[Ann Rosenthal 夫人]:有能な弁護士の誰もが引き受け様としないから貴方に頼むの.
[Fatimah Hassan dell'Israele]:それは驚きだわ.余程殺された奴ってロクデナシだったのね.
[Ann Rosenthal 夫人]:貴方はかなり有能だって評判よ.被告が無実ならどんなに有罪確実と思われるような事件でも無罪に持っていくって.
[Fatimah Hassan dell'Israele]:弁護士は私の職業じゃないわ.資格があるだけよ.
[Ann Rosenthal 夫人]:フランスではかなりのものだったそうじゃない?
[Natalie Simon]:小母様は引き受けないと言っているわ.帰って貰えません?
[Ann Rosenthal 夫人]:姪は無実に間違いないの.あの子は人を殺せるような子じゃないわ.
[Fatimah Hassan dell'Israele]:真相がどうなのかなんて知らないけど,何れにしろ,孫娘を突き飛ばして怪我をさせたような者の弁護を引き受けなければならない道理はないわ.
[Ann Rosenthal 夫人]:あの子が理由もなく子供を突き飛ばすなんて有り得ないわ.
[Natalie Simon]:ユダヤ人の子供の間違いじゃないの?
[Ann Rosenthal 夫人]:何?貴方,ユダヤ人の癖にアラブ人の味方をする積もり?
[Natalie Simon]:事実そうじゃない?
[Ann Rosenthal 夫人]:どうかしているとしか思えないわ.
[Natalie Simon]:ユダヤ人のテロリストだって大体そんな奴よ.だからテロリストと非難する覚悟が出来ないでこれまで来ているのよ.私は正常そのもの.おかしいのは貴方よ.

被告側代理人 Emmanuelle dell'Israele

Fatimah Hassan dell'Israele (Profile)

Fatimah Hassan dell'Israele は,JeremiahAnn Rosenthal 夫人のたっての頼みもあって,Naomi Klausner の弁護を引き受ける.

[Naomi Klausner]:貴方が伯父達が頼んだとかいうアラブ人の弁護士先生?
[Fatimah Hassan dell'Israele]:ええ,そう,Fatimah Hassan dell'Israele よ.
[Naomi Klausner]:もっと肌も髪も黒いのが来るかと思ったわ.まるで貴方…ドイツ人ね.
[Fatimah Hassan dell'Israele]:言っとくけど,白い肌をした金髪のアラブ人なんて然程珍しくもなくてよ.
[Naomi Klausner]:そうなの…(Pause )よくもまあ,伯父達も貴方に頼む気になったものね.
[Fatimah Hassan dell'Israele]:他の有能な弁護士が引き受けてくれなかったらしいわ.
[Naomi Klausner]:アラブ人に頼む事になるなんて世も末だわ.
[Fatimah Hassan dell'Israele]:殺した相手が悪すぎたのね.
[Naomi Klausner]:私は殺していないわ!
[Fatimah Hassan dell'Israele]:孫娘を突き飛ばしたくらいだから,それくらいの事やるんじゃないの?
[Naomi Klausner]:何?貴方,Ruth の祖母なの?
[Fatimah Hassan dell'Israele]:そうよ.
[Naomi Klausner]:Ruth を突き飛ばしたのは悪かったと思っているわ.約束する,二度としないわ.
[Fatimah Hassan dell'Israele]:どうやって信用しろと言うのかしら?
[Naomi Klausner]:あれから何度も会っているけど,二度としていないわ.それでよく引き受ける気になったものね?
[Fatimah Hassan dell'Israele]:JeremiahAnn Rosenthal 夫人のたっての頼みがあったからかしら.尤も,貴方がユダヤ人を殺したというのがちょっと信じられないのもあるけど.
[Naomi Klausner]:さっき私が殺したと決め付けたでしょう?
[Fatimah Hassan dell'Israele]:それは他の有能な弁護士先生諸氏の意見.私は違うわ.尤も,状況は貴方に圧倒的に不利よ.
[Naomi Klausner]:やっていないわ.
[Fatimah Hassan dell'Israele]:冤罪というのはね,信じられないくらいの偶然の一致によって起こるものよ.そして,貴方には,動機があり過ぎる程あると見られている.
[Naomi Klausner]:ええ…
[Fatimah Hassan dell'Israele]:ちょっと待って.私に依頼するの,しないの?依頼したら,特権通信で今までの会話は法的に保護されるけど,そうでなければ,宣誓の上証人訊問で話す事にだってなり得るわ.
[Naomi Klausner]:依頼するわ.確かに,動機なら有り過ぎる程あるわ.自分でも,何故あんなのに引っ掛かったのかと思う位よ.

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