本多勝一研究会重要文献解題

本多勝一

「自分が改竄しておいて他人に改竄を叫ぶ男」

『潮』1986年10月号,朝日新聞社『貧困なる精神B』

文責:武夫

解説

南京大虐殺論争において、板倉由明氏から「本多氏に対しては、私は資料改竄ではなく、証言改竄の疑いがあると以前から指摘していました。」(『文藝春秋』1986年1月号「松井岩根日記の改竄について」)と書かれたことに関する本多氏の反論です。

ここに注目!

読みどころ

赤字による強調は引用者による;引用は朝日新聞社『貧困なる精神B』第2刷から)

「つまり板倉氏は、私が「改竄」したというのである。間違いならともかく改竄となると問題たらざるをえない。私への人格攻撃であり、著しい名誉毀損だが、もし事実として私が改竄したのであれば、私はこれを甘受し、ジャーナリストとして生きることをやめなければならない。他人に「改竄」などというためには、確証をにぎらねばならぬ点、殺人犯や強盗犯と変わるところはないであろう。私はこれまでの生涯で「改竄」というようなことは一度もしたことがない。間違いなら誰しもあるだろう。しかし改竄はない。ところが板倉氏は、何の根拠も示さずに私が改竄したといい、田中正明氏の改竄と並べて「ご自身も同様なことをなさっている」と断定した。さらに板倉氏は同じ論評文の最後で田中正明氏も洞富雄氏も私も「失礼だが同じ穴のムジナ」と断じている。」

(30頁)

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最終更新日1999/11/01 (Y/M/D).